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旅するチェロ・ステップ
チェロを一本片手に抱いて。ポップス、ロック、ジャズ、フォーク、クラシック、ワールドミュージックなどなど、グラス片手に縦横無尽に音楽を旅する。チェリスト橋本歩による音楽を旅する喜びにあふれたエッセイ。

NYへ。


090825
帰国間近にアホかと言われそうだけど、最後にNYに行こうと計画していた。ビルフリのライブをみてMOMAに行くというだけの計画。
これで当分NYはいいや。
午前中は片付けと荷物のパッキングをして、バスの予約をとMegabusをネットで見てみると行きは5ドル帰りは11ドルだった。安い!しかし何でこんなに安いのか、そして何で便ごとに値段が変わるのか?
2:30のバスで向かい7時にNYに着いた。いやー何度来ても思うけど、NYは都会だなぁ。人が多い〜。宿に着いて、今日は夜のライブまで予定がないのでビールなぞ飲みつつごろごろ。
ヴィレッジ・バンガードの11時の回を目指して向かう。毎回迷うのでギリギリに着いて入るも、一人なので前の席に座れた。ほどなくしてポール・モチアン登場。ドラムの所に座るとおもむろにバーンとシンバルを叩いた。「これ、ノープランだぞ。」と思ったけどジャズにはノープランという言葉はない。ノープランでも思いついたままに音楽を奏でるのもジャズ。つづいて巨体のジョー・ロバーノと、ちょっとやせたかもビル・フリゼールが入ってきて何の合図もなしにモンクの曲をやり始めた。この「何の合図もなしに」はステージの終始そうで主にロバーノが勝手に曲を始める。邦楽の「間」も不思議だけどこれもすごいなー。
ジョー・ロバーノという人の演奏を初めて聴いた。もちろん良い、素晴らしい。色気より中身。客席の後ろの方をじっと見て確実に吹く。そして吹くタイミングやアンサンブルのしかたがいい意味で自己中心的。決してオレがオレがじゃないんだけど他の人に合わせたりとか、他の人に合図を出したり(ちょっとしたアイコンタクトさえも)しないで、ただ自分は吹く、自分の音楽を。
そしてポール・モチアンさんは何拍子を叩いてるのかさえ分からないのにしっかりと全ての音楽をまとめている。
そういえばギャリンドさんがポール・モチアンについて言っていたことに「彼はグルーブを4拍とか2小節とか8小節とかの単位じゃなくて、ワンコーラス=ジャズだと32小節をワングルーブとして叩いているんだ。」と言っていた。
たしかに音楽が長い、広い。
そしてビルフリゼール。今日は巨匠達と一緒で少々気を使っているように見えた。でももちろんビルフリサウンド健在。遠慮めにエフェクターを使ったり、エンディングでリバース、ディレイしたり。やっぱりビルフリはよいなぁ。

<関連リンク>

橋本 歩 website 「歩だが!」
http://www.ayumi-daga.com/

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