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アンダーウォーター
水中を優美に泳ぎまわるように見えつつ、水面下では激烈な男の世界が繰り広げられる競技、水球。高校運動部の厳しい練習に辟易しつつも耐え、ポップ・カルチャーを全身に浴びて過ごした90年代の回想的小説。

これってクールだろ


枕元の時計を見ると6時半だった。
寝坊が許されない合宿生活の起床時間が体に染み付いたのだろう、
目覚ましをセットしなくても、時間になると自然と目が覚める。
一週間ぶりに帰ってきた自分の部屋はしんとしていて
心置きなく手足を伸ばして寝られるベッドが心地良い。
弾力のある分厚いマットレスと、さらっと乾いた敷き布団。汗の匂いのしないシーツ。
昨日まで寝ていた、机の上に敷いた薄い貸し布団とは違う。
合宿が終わり、僕は家に帰ってきた。
雑誌とCDが雑然と積まれた埃っぽい自室には
白井のいびきも、イワンの歯ぎしりも響かない。
他人の存在を気にすることなくおならをできる自由もある。
何より、数分ごとに時計を睨んでは練習開始までの残り時間を数えて憂鬱になることがない。
それを思うと、胸の奥の方を堅く縛っていた細いタコ糸のような何かが
ほろほろとほどけていくようで、
ああ僕は合宿の間ずっと緊張していたんだな、とあらためて気付かされるのだった。

もうひと眠りしようか、と思った。
だって今日は練習がないのだから。まだまだ眠っていていい。
瞼が重く閉じて、頭の中が白濁していく。
濃いカルピスのような白い闇が全てを覆いかけた時、
何かが僕の意識を蹴飛ばした。起きろ!眠っていたらもったいない。
僕は目を見開き、弾かれたような勢いで上半身を起こしてから
できるだけ冷静な口調で呟いてみた。
「今日はオフだ」
今日はオフだ。うん。今日はオフだな。
口に出して呟き、口に出さず繰り返す。言葉を脳の隅々にまで行き渡らせる。
まるで明るい未来がすぐそこに待ち受けているかのように
希望と期待の入り交じった嬉しい気持ちがこみ上げてきた。
一週間の合宿を終え、今日から三日間のオフが始まる。
練習のない自由な時間。
長かった夏休みがもうすぐ終わる。



せっかくのオフに、せっかくの早起きをしておきながら
僕はこれといってやるべきことを見つけられなかった。
午前中は扇風機の風に当たりながら麦茶を飲み
これまでに幾度となく読み返したとり・みきのマンガを再読して過ごした。
僕は自由な時間の使い方を忘れかけている。
午後に小柴の家へ遊びに行く約束がなければ、
本を読むだけで一日を終えていたかもしれない。
母に作ってもらった昼食を食べて家を出る。
玄関を出た途端、蝉の声がシャワーのように降り注いだ。

雲のない、ひどく暑い日だった。
電車で新宿に出て総武線に乗り換え、大久保で下車する。
約束の時間から2分遅れてホームの階段を下りると、
改札口を出たところに小柴が待っていた。
「おっせーよヨンピル」
「うーす、お待たせ」
小柴の家へ遊びに行くのはこの日が初めてだった。
黒人ラッパーのように肩を揺らしてのっしのっしと歩く小柴に先導され、駅前の通りをいく。
タイ料理の食堂が建ち並ぶこの地区にはアジア各国からやってきた外国人が多くいて、
街は彼らを中心にまわっていた。
飲食店から漏れるくせのある香料の匂いが夏の日差しに強調され、
見たことのない文字で書かれた看板が連なるその風景には
僕が知っているどの街とも似ていない、独特の空気が流れていた。
放置自転車で幅の狭くなった歩道を進む。
扉を開け放った屋台料理店からせわしないリズムのポップスが聴こえる。
並びのパチンコ屋の軍艦マーチがそれをかき消す。
浅黒い肌の男とすれちがう。
濃い体臭と、深く官能的な香水の香りが混じって鼻をつく。
僕は道端の自動販売機でポストウォーターを買う。

にぎやかな大通りから細い脇道に入るとそこは静かな住宅街だ。
塀に挟まれた細い道に、古い家並みが続いている。
それは駅前の通りの喧騒とはあまりにかけ離れていた。
細い道を行き角を曲がると、いかにも年代物といった風情の二階建てアパートがあらわれる。
アパートの前には小麦色の肌をした外国人の女が三人立っていて
細いタバコをくゆらせていた。
タンクトップに強調される豊かな胸と、
派手なミニスカートから伸びる肉感的な太ももを横目で追いながら
何食わぬ顔で前を通り過ぎた。
小柴は何も言わずに歩き続ける。僕はそれについていく。

アパートを通り過ぎて1分と経たないうちに小柴の家が見えてきた。
それは古い二階建ての一軒家で、ブロック塀に囲まれた庭には濃い緑が生い茂っていた。
「上がって」
「おじゃまします」
家族は皆外出しているという。
僕は小柴の後について階段をのぼり、二階にある小柴の部屋へ入った。
部屋の中には、黒くて四角い大きな箱がいくつも置かれていた。
丁寧に黒い布を張った長机の上には2台のターンテーブルが並べられ、
その間には、2つの縦フェーダーと短いクロスフェーダーを備えた
コンパクトなDJミキサーがセットされている。
これが噂の……!
これまで写真でしか見たことのなかったDJ機器を始めて目の前にして
僕の胸の鼓動は否応無しに速まった。
これさえあれば何でもできるような、未知の世界に触れられるような気がした。
ターンテーブルはTechnics、ミキサーはaudio-technica。
機材に印字されたロゴすらも眩しく見える。
長机の脇にセットしたスピーカーを裏拳でコツコツと叩きながら、小柴が言う。
「これ全部、渋谷のPACO(※1)で揃えたんだよ」
「へえ、PACOで」
おうむ返しで相槌を打つ僕は「渋谷のパコ」を知らない。楽器屋の名前か?
素直に「パコって何?楽器屋さん?」と尋ねることができなかった。
僕はこういう時にくだらない見栄を張ってしまう。悪い癖。
小柴は床に寝かせた四角い箱を指して自慢気に言う。
「このウーファーがまたクソヤバいんだよ」
「へー、そうなんだ。うん、確かにこれはヤバそうだね。ヤバいでしょ」
ヤバいヤバいと繰り返すたび頭の中にクエスチョンマークが並ぶ。
ウーファーって何だ?スピーカーとは違うのかな?
一度知ったかぶりをしてしまったらもう後には戻れない。前に進むだけだ。
せめてこちらから話題を振って、話が進む方向を自分の守備範囲に向けよう、と思った。
「何か聴こうよ」
と僕は言った。
「おう。じゃあそうだな……えっと……どれにしようか」
小柴は部屋の隅に置いたカラーボックスに手を伸ばし、
中に入った12インチのレコードを一枚一枚めくるように抜き差しして選び始める。
その、両手を素早く動かして箱に詰まったレコードを探す動き、
通称「レコードパタパタ」を目の当たりにして、僕はにわかに興奮した。
すごいな小柴、DJみたいじゃん!

「レコード、何枚ぐらい持ってるの?」
僕は小柴に尋ねた。
小柴は視線をレコードに向けたまま答える。
「まだ100枚ちょっとかな」
100枚も!?僕は声に出して驚いた。
小柴が機材を揃えてアナログレコードを買い始めたのは、高校に入学してからのはずだ。
それからまだ半年も経っていない。
部活で毎日忙しいから、バイトをする暇はない。
100枚のレコードを買うお金なんて、どうやって工面したのか。
万引きするにしたって100枚は多すぎる。
僕の疑問を見透かしたように小柴は言った。
「フジさんからまとめて安く売ってもらったんだよ」
「あ、なるほど。フジさんから」
フジさんというのは僕たちの一学年上の先輩で、高校中で知らない者はいない有名人だ。
ガタイがよく、しょっちゅう暴力沙汰を起こし、言うことは全て面白い。
小学生の頃から問題児で、教師たちからは常にマークされているけれど
フジさんが退屈しのぎにボコる相手は中途半端にいきがっているヤンキーと不良で、
一般の生徒には手出しをしない。だから大抵の生徒たちからは人気があった。
もっとも、羽振りのいい同級生や後輩に「ちっと貸してくんねぇ〜?」と言って
その日発売したばかりの週刊少年ジャンプや、気にはなるけど買うほどではないCDや、
お金や、ターンテーブルやミキサーを借りてそのまま返さない、
ということもあるにはあるらしいのだが。
フジさんと小柴のお兄さんは小学校時代のクラスメイトで、
その縁から小柴はフジさんと面識があるらしい。
小柴が説明する。
「フジさんこないだまでDJにハマってたんだけど、
 これからはラップ始めるからもうそんなにレコードはいらないんだってさ」
「ラップ!?」
「ラッパーになるっつってたよ」
そう言いながら、小柴は一枚のレコードを手にとった。
「これもフジさんから買った」
それはJungle Brothersの2ndアルバム『Done by the Forces of Nature』だった。

Jungle Brothersは、De La Soul(※2)やA Tribe Called Quest(※3)と共に
Native Tongueと呼ばれる集団に属するヒップホップ・グループだ。
Native Tongueの音楽は他のヒップホップ・グループの作品と比べてポップで、
しかも知的だった。
ニュージャックスウィングのような水商売くささはなく、
ギャングスタ・ラップのマッチョイズムもない。

理不尽な先輩と抜き打ちテストを憎み、ガロ系の漫画を読んで暮らす一介の高校生にとって
クラック、ガン、ビッチ(※4)といったトピックで綴られるギャングスタ・ラップを
自分の身近な音楽として聴くことは難しい。シンプルなトラックの魅力も分からなかった。
そういった音楽の対極に位置するものとして、僕はNative TongueのCDを聴いていた。

Native Tongue、中でも特にDe La Soulからの影響を語っていたのはスチャダラパーだ。
僕がNative TongueやJungle Brothersを知ったのも
スチャダラが雑誌に寄せた文章を通してだった。

僕はスチャダラが大好きで、彼らが薦めるものはできるだけ手に入れるようにしていたから
Jungle Brothersの『Done by the Forces of Nature』も日本盤のCDで持っていた。
付属するライナーノーツには、何かの記事から引用したメンバーの発言が掲載されている。
「われわれがやろうとしていることは、
 ヒップ・ホップ界におけるバランスをとろうということだ。
 パブリック・エナミーは政治的、ブギー・ダウン・プロダクションは哲学的なものをやる。
 そこで、われわれはスピリチュアル(精神的)なものをやりたいんだ」
スピリチュアルかあ。わかったようなわからないような気分で歌詞の対訳を読むと
「川の水が俺のキンタマを洗う これってクールだろ」
と書かれていた。これってクールなのか?

そんなわけで、僕にとって『Done by the Forces of Nature』は
既に聴き慣れたアルバムだった。
しかし、CDとレコードとでは物としての存在感が違う。
小柴が持つアナログ盤の大きなジャケットと
そこから滑り出た黒光りする盤面を間近で見ると、
何か特別な魅力が宿っているように感じられた。
小柴はレコードを両手の平で挟むようにして持ち
左のターンテーブルにのせる。

僕たちは二人とも黙ってスピーカーに耳を傾けた。
サーッという薄いノイズに続いて曲が流れ始める。
A面の1曲目は『Beyond This World』という曲だ。
いくつもの声が交錯する短いイントロが終わると1秒ほどの無音があって、
その後唐突に"Break down!"という威勢のいい声が入って曲に雪崩れ込む。
この部分を聴くたび、僕はその、1秒間という無音の長さに妙な不自然さを感じていた。
「いつも思うんだけどさ」
僕は小柴に尋ねた。
「ここ、なんで無音なんだろう?この間って変じゃない?」
1秒という長さはいかにも中途半端で気持ちが悪い。
もう少し短いか、そうでなければ長いか。普通はそのどちらかじゃないのか。
小柴はあっさりと
「ああ、そりゃスクラッチ用だよ」
と言った。
「"Break down"の"Break"の部分をこする時さ、
 直前に音が入ってない方がスクラッチしやすいじゃん」
「え?ちょっと待って。
 じゃあこの無音の部分って、スクラッチのために無音にしてあるの?」
「絶対そうだよ」
小柴は自信ありげに短く答える。
"Break"の部分をこすりやすくする?
スクラッチの経験どころか、まだターンテーブルに触れたことすらない僕は
その具体的な音を想像することができなかった。
何となく意味は分かる。
無音の溝が1秒分あれば、スクラッチをした時に音と音が混じらなくなるのだろう。
Jungle Brothersは、DJがスクラッチする時のことまで考えてレコードをつくっているのか。
DJが使いやすいように曲を構成する。僕にはそれがとても新鮮なことのように思えた。
ヒップホップの秘密の一端に触れたような気さえした。
「ヒップホップは非音楽家による音楽革命」と書いたのは、ええと、近田春夫だったっけ?
実際にスクラッチを体験しなければ、
1秒間の無音の意味を本当に理解するのは難しいだろう。
僕は、理解している小柴を羨ましく思った。

「ジャンブラ(※5)のロゴってさ」
僕は裏ジャケに印刷されたクレジットを眺めながら、小柴に言った。
「トーワ・トーワが作ったんだよね」
「トーワ・トーワ?」
「ディーライト(※6)のJungle DJ Towa-Towa(※7)。デザインしてんの」
「へえ、そうなんだ。トーワ・トーワってジャンブラとつながってんの?」
「たぶんネイティブ・タンと仲いいんじゃない?
 ディーライトの『Groove Is In The Heart』(※8)で
 トライブのQ-Tip(※9)がラップしてたし」
「あー、そういややってたな」
「この裏ジャケ見ると、ロゴデザイン以外でも何か参加してるみたいだよ。
 "Preparation for Resurrection, and Reincarnation done at the Huts of"の後に
 "Jungle D.j. Tohwa of Deee-Lite"って書いてある」
「"Preparation for Resurrection"?復活のための準備?意味分かんね」
A面が終わり、小柴はレコードを裏返して針を下ろす。
流れだしたのはアルバムのタイトル曲『Done by the Forces of Nature』だ。
太くて重いベースのフレーズが印象的だけれど、
タイトル曲にしてはずいぶん渋いというか、地味なトラックじゃないか。
僕がそう言うと、小柴は大袈裟な口調で呆れたように返す。
「ヨンピルぅ〜、お前分かってねえなあ。そこがいいんじゃん!」
「うーん……中盤で入る低いサックスは確かにかっこいい、かな」
小柴は立ち上がり、カラーボックスの脇に立てかけた薄い段ボール箱を手にとった。

その段ボール箱は縦横30センチほどの正方形で、深さは約3センチあった。
中にレコードが8〜9枚入るぐらいの厚みだ。
表面には『HOW TO DJ PART 1』と印刷されている。
小柴が箱を開けると、中にはビデオテープが1本と、レコードジャケットが1枚入っていた。
小柴は中身を取り出し、空になった箱を僕に手渡して言った。
「これ、DJ教則セットなんだけどさ」
「教則セット?」
「これで練習すんだよ。スクラッチとか」
僕は手渡された段ボールに目をおとした。箱には縦書きで
「ビデオカセットとレコード2枚がセットになった画期的なDJ学習法!」
とあり、小さな字で
「東京の人気DJ4人、藤原浩+DUB MASTER X+DeeJay K.U.D.O+高田宗紀が、
 ヤン富田先生がプロデュース&ミックスしたレコードを教材にして、
 DJになるためのHow Toをていねい&わかりやすく教えます」
と書かれていた。

レコード針のカードリッジのイラストをあしらったジャケットの中には
同じ内容の12インチシングルが2枚入っている。
なぜ同じものが2枚あるのかというと、それでDJの練習をするためだ。
2台のターンテーブルに同じレコードをのせ、曲をつないだり、スクラッチの練習に使う。

小柴はそのうちの1枚をジャケットから取り出すと、右のターンテーブルにのせた。
盤の中央に貼られたレーベルには赤い文字で"SIDE TWO"、
その下には『PHARAOH'S DEN』と書いてある。
一番外側の溝にあわせて、小柴は注意深く針を下ろす。
ヘッドフォンに耳を当てて音を確かめ、手で盤を逆回転させて曲の頭出しをすると
その位置からレコードが動かないように手で押さえた。
黒い布を張った長机はいまやDJブースになっていた。

左のターンテーブルではJungle Brothersのレコードがまわり続けている。
ミキサーのクロスフェーダーは左端に寄ったまま、
スピーカーから流れる『Done by the Forces of Nature』は
低いサックスのフレーズを繰り返しながら終盤へ向かう。

スピーカーから出る音が徐々に小さくなっていく。
小柴は左手でクロスフェーダーを右へとスライドさせ、
同時に、押さえていた右側のレコードから手を上げた。
小柴の右手から解放されたレコードはなめらかに回転を再開し、
その溝をダイヤモンドの針がなぞる。
スピーカーが震えた。
『PHARAOH'S DEN』のイントロは低いサックスのソロで、
それは数秒前まで流れていた『Done by the Forces of Nature』のサックスと
全く同じ演奏、 つまり同じサンプリング・ソースだった。
えっ、どういうこと?僕は驚いてジャケットを見なおした。
カードリッジを描いた味気ないイラストの下には
"Dr.YANN's BEAT CLASSICS #1 for D.J."
と書かれている。裏返すと下の方に
"PRODUCED & MIXED by YANN TOMITA"
とあった。
つまりこれはヤン富田のレコードだ。
……それで?なんでジャンブラと同じサックスなんだ?
このサックスは頻繁にサンプリングされる、いわゆる定番ネタなのだろうか。
それとも偶然の一致なのか。
レコードが回り、曲が進む。
サックスが鳴り、ビートが刻まれ、ベースが入る。
太くて重いそのベースもまた『Done by the Forces of Nature』と同じ音だった。







※1 渋谷のPACO:1988年、渋谷に開店したDJ機材専門店「DJ PACO」のこと。

※2 De La Soul:アメリカのヒップホップ・グループ。多種多様なサンプリングによってヒップホップの表現を押し広げた1stアルバム『3 Feet High and Rising』は、Rolling Stone誌「1989年ベストアルバム」で5位に選ばれるなど、ヒップホップ以外の世界からも高く評価された。スチャダラパーの1stアルバム『スチャダラ大作戦』の歌詞カードには、来日した彼らとスチャダラパーが一緒に写った写真が載っている。

※3 A Tribe Called Quest:アメリカのヒップホップ・グループ。サンプリング・ソースにジャズを選んだ2ndアルバム(1991年)、ループの快感を追求した3rdアルバム(1993年)、音響で冒険した4thアルバム(1996年)と、90年代前半〜中盤、彼らは新作を発表するたびにヒップホップのトレンドを更新した。"FREE SOUL"という概念を広め、90年代東京の中古盤相場に多大な影響を与えた橋本徹氏は「FREE SOULというのは、A Tribe Called Questがサンプリングするような音楽のこと」と雑誌に記した。

※4 クラック、ガン、ビッチ:クラック(crack)はコカインを加工した麻薬。ガンはgun、ビッチはbitch。

※5 ジャンブラ:Jungle Brothersの略称。

※6 ディーライト:Deee-Liteはアメリカのハウス/ダンスミュージック・グループ。メンバーはシンガーのレディ・ミス・キアー、亡命ロシア人のスーパーDJディミトリー、日本で育った韓国人のジャングルDJトーワ・トーワ。1990年のデビュー・アルバム『World Clique』はハウス・ミュージックを一躍ポピュラー化した。Love&Peaceのメッセージ、サイケデリックなファッション、古い音楽からのサンプリングなど全体に60〜70年代の色を帯びたこのアルバムには、P-Funkからブーツィー・コリンズ、フレッド・ウェズリー、メイシオ・パーカーが参加している。

※7 Jungle DJ Towa-Towa:縁の太い眼鏡と顎に指を当てるポーズが印象的なDeee-Liteのメンバー。本名はテイ・トウワ。グループ脱退後、1994年にアルバム『FUTURE LISTENING!』でソロ・デビュー。

※8 Groove Is In The Heart:Deee-Liteのアルバム『World Clique』からのシングル・カット。アメリカのビルボード誌ではポップ・チャートの4位に入った。プロモーション・ビデオの監督は中野裕之。http://www.youtube.com/watch?v=C4D1HSL7P98&feature=related

※9 トライブのQ-TIP:A TRIBE CALLED QUESTの中心人物。ラッパー兼トラックメイカー。

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